日本人なら読んでおきたい1冊
- 作者:新渡戸 稲造
- ジャンル:道徳書
- こんな人におすすめ:→すべての日本人、
→サムライの考え方・生き方に ついて知りたい方
ざっくり解説~こんな本です~
新渡戸稲造(旧・五千円札のメガネの人)の著作。日本人としての考え方の根底にある日本固有の伝統精神である「武士道」を書いた1冊。
文句なしに名著。100年以上前に書かれた本だが、その考え方や生き方は現代を生きる我々にもヒントになる部分が多い。
武士=サムライって言葉がなんかカッコイイですが、この時代の日本人はこの武士道精神を大事にして生きていたんだと思いましたね。
例えば、このような部分
ヨーロッパ人はバラの花を称賛するが、私たち日本人はそれを共有 する感覚は持ち合わせていない。バラには桜花の持つ簡素な純真さにかけている。私たちの愛する桜花は、その美しい装いの陰に、とげや毒を隠し持ってはいない。自然のなすがままいつでもその生命を捨てる覚悟がある。
PHP文庫「武士道」P170より出典
日本人に桜が好きな人が多いのはこういうところかもしれませんね。
それは桜の期間限定の儚い美しさ、(夏の花火と同じように)あるいはここに書かれているなすがままの美しさに惹かれているのか。人それぞれ理由はあるかと思います。
まあ、ここの表現はサムライというか日本人の美徳を表現している部分ですね。
「武士の情け」とは力あるものの慈悲。「もっとも勇気ある者はもっとも心優しい者であり、愛ある者は勇敢である」ということが、普遍的な真理とされていたからである。
PHP文庫「武士道」P55より出典
とこんな感じで、本のページ数としては200ページ程なので読むのにそこまで時間はかかりませんが上記のように「おっ!」と思わせる表現が度々登場します。読む人によって好きなページが違うんじゃないかな、と。
武士はただ単に剣術を磨いて強くなる事を目的にしているのではなく、仕える主君を護る為、ひいては自分の故郷を護る為、あらゆる分野で自己を高める努力をしていった背景から「武士道」言われる道徳心が芽生え、定着していったと考えられます。
この自己研鑽をする姿勢を剣術に限らず、精神にさえ昇華させたところに武士道の本質があり、我々日本人のDNAとして知らず知らずのうちに日々の生活の中で受け継がれているのではないかと考えます。
現代を生きる我々にしてもこのような精神を抱きながら、日々の生活を送る事で武士がいつ命を捨ててもよいと考えていた位の覚悟で生きるのも大事なのかなあ、と。しみじみ考えさせられます。。
マジで義務教育の教科書にも掲載したらいいんじゃないかな~、と思うくらい読んで損は無い本です。